STORY
物語
天体観測とペットボトルロケットが趣味の高校生・少年は、ある夜、空から落ちてくる光を見る。
丘の上に墜ちていたのは、小型の宇宙船だった。中から現れたのは、遠い星から来た少女。彼女は事故で航路を失い、自分の母星がどこにあるのかを説明できない。
少年は、同好会の仲間たちと共に、壊れた船を直すことを決める。
船のAIの指示を頼りに、地球製の部品で応急修理を重ねていく日々。少女は初めて見る地球のものすべてに驚き、笑い、そして少しずつ、この星を好きになっていく。
だが——
地球の環境は、彼女の身体には合わなかった。
帰ることは、やがて「選択」ではなく「必要」になる。
そして船のAIが告げる。
「有人航行時、自律操縦は許可されていません」
長時間の操縦に耐えられる体力は、もう彼女には残っていない。
少年は決める。自分が操縦して、彼女を星へ送り届ける。
見上げるだけだった少年が、星図の外へ出る。
KEYWORD 物語の鍵
KEYWORD 01
アインツ・ツヴァイ・ドライ・スター1、2、3、星に
深夜の校庭で、ペットボトルロケットを飛ばすために決まった、ただの掛け声。なんとなくのノリで作られた、意味のない四語。
——それが、本物の発進シーケンスになる日が来る。
KEYWORD 02
星図の外OUTSIDE THE CHART
彼女の母星は、地球からは観測できない位置にある。「遠すぎる」のではない。一度も、見える位置に来なかっただけ。
望遠鏡でも、予算でも、機材でもない。彼らが手にしていたのは、誰もが誤差として捨ててきた、わずかなズレだけだった。
誤差たちは、どこを見ている? 目線を追え。 「誤差」より
KEYWORD 03
ペットボトルロケットWATER ROCKET
高く飛ばない。まっすぐ飛ばない。何の役にも立たない、しょうもない玩具。
この物語で、最も遠くまで届くもの。